恋愛バラエティ番組に、愛する人との関係を壊されかけた話。

YAMATO

ぼくは先日、とある恋愛バラエティ番組から出演オファーをいただいた。

その番組に、愛する彼女との関係を壊されかけた一部始終を、綴ります。

 

これがテレビの「当たり前」なら、もういいやと思った - プロ無職
昨日AbemaTVに出演しました。見てくださった方々ありがとうございます。すんごい楽しかったし、良い経験できました。 Abema全然話したいこと話せなかったわ!!!!!悔しいわ!! 明日アウトプットするわ#AbemaTV...

 

これは、一個人の体験に過ぎないかもしれません。

しかし、さらなる被害者を生み出さないためにも。

傷つけられて、一人で悩みを抱える同志のためにも。

プロ無職・るってぃ(@rutty07z)さんに触発される形で、筆を走らせました。

 

まえがき 

 

ぼくと彼女の新たな挑戦を応援してくれた皆さんに、この度は番組への出演をお断りした経緯をきちんと説明したく、書き上げました。

ご期待に応えられず、誠に申し訳ございませんでした。

個別の想いは最後に改めて、綴らせていただきます。

 

出演が決まるまで 

きっかけは、ぼくのツイッターアカウントに届いた一通のDMでした。

※番組が特定できてしまう情報は、伏せさせていただきます。

 

「突然のメッセージ失礼致します。」

 

そう始まったダイレクトメッセージは、ノーマルな恋愛観を持つ人々との温度差を演出できる個性的なカップルを募集していた。

 

「男だから、稼ぎ頭であるべき」

「女だから、子育てを担当するのは当たり前」

「普通は、こうあるべきだ」

 

そんな偏った「普通」という常識を押し付けてくるような主張が大嫌いなぼくにとって、番組の趣旨には共感できた。

自分たちが出演することで、少しでも『当たり前』と言われている恋愛関係のおかしな常識を覆せたら――そう思い、謎の多いDMに返信してみることにした。

 

すると、担当の方からすぐに(電話で)連絡が来た。

 

どうやら、出演者の確保にとても困っているらしい。

話を聞くと、今までは「恋愛のぞき見バラエティ」と謳いながら、出演していたカップルは、実はタレントさんだったとのこと。

そのため、どの出演者も名を売るために、過激な発言が多かったらしい。

結果として、当初つくろうとしていた「ノーマルな恋愛観を持つ人々との温度差」が激し過ぎた。

そのような経緯もあり「心機一転、素人の出演者を募るも、応募が集まらず、DMを送る作戦に出た」という流れを聞かされた。

 

 

そして

「急なお願いにはなりますが、六日後の収録に来ることはできませんか」

と尋ねられた。

 

業界の常識は知らないが、初めて連絡を取り合ってから一週間も経たないうちに収録しようとすることに驚いた。

しかし、残念ながら、六日後の予定は空いておらず(当然)その旨をお伝えすると、担当者は途方に暮れた。

「深夜に収録したとしても、どうしても難しいですか?」

相当、困っていらっしゃる様子だった。

 

 

ぼくはレコーディングの予定が入っていたため、深夜の収録になろうとも出演は難しかった。

ただ、先方があまりにも頭を抱えていたので、ともに音楽を作っている同志に無理を言って、レコーディングの日程をズラした。

相方には釘を刺されたが、一度きりのお願いだった。

そして、彼女にも早急に確認を取った。

担当の方が非常に困っている様子だったこと、番組の趣旨には共感できること――出演の可能性を見出すため、お互い仕事の合間を縫って連絡を取り合った。

 

 

いろいろな折り合いをつけて、なんとか先方の要望に応えた。

「ありがとうございます!!」

連絡の担当者は電話の向こうで安堵していた。

人助けのつもりだった。

 

出演が決まってから 

番組に出演することが決まると「ディレクター」と呼ばれる人に繋げられた。

その方と会話を重ねながら、ぼくらカップルの回のイメージを膨らませていく。

 

この時点で、少しずつ違和感とストレスが溜まり始める。

 

まずは連絡の取り方。

基本的に、打ち合わせはすべて電話で行われた。

ラインを交換したものの、ラインはあくまでも電話する日時を決めるためだけに使い

番組に関する話し合いはもっぱら電話だった。

 

個人的には、電話は拘束力が強く、あまり好きな連絡手段ではない。

メールやラインで済むような内容(プロフィールのアンケートなど)であれば、文字の送り合いだけで済ませたかった。

なぜ、製作者側が電話に固執したかは後ほど判明する。

 

 

そして、話がコロコロ変わる。

当初聞かされていた話では、拘束時間は約三時間程度となっていた。

しかし、いざ蓋を開けてみると、収録日は午後七時に現場入りしたとして、終わるのは翌日の午前三時と伝えられた。

 

平日の仕事終わりに収録現場へ駆けつける予定だった、ぼくと彼女。

翌日の朝には普段どおり出社する我々が、明朝までかかる撮影をお手伝いする義理が分からなかった。

それも、さも当たり前のように。

 

挙句の果てには、収録日とは別で「ロケ撮影をしたい」と言われた。

「ロケの詳細に関する打ち合わせは直接、二人に会ってしたい」

急遽そう呼び出され、秋葉原で待ち合わせをしていたら、集合時間の直前に「やっぱり、もっと遅い時間に目黒駅で」と変更を伝えられる。

振り回される二人。

少しずつ、ぼくと彼女の間に亀裂が生まれ始めた。

 

壊れていく愛 

ぼくも彼女も、着実にストレスが溜まり始めていた。

 

仕事中も、止むことのない連絡の嵐。

ひと度、始まると半時間以上は拘束されてしまう長電話。

四年以上の年月をかけて築いてきた二人の愛が、恋愛バラエティ番組に出演しようとしたことで壊れる予感がした。

 

お互いに感情をぶつけ合う――敵ではないはずなのに。

 

そして、ぼくと彼女が最も反発し、この度の番組出演をお断りすることに至った最大の理由は、ロケ撮影の内容だった。

 

 

番組の製作者側はどうしても、ロケがしたかった。

それは、彼女のお母さんを登場させたかったからだ。

ぼくと彼女をカップルとしてキャラ付けする際に、製作者側は「帰国子女(ぼく)とハーフ(彼女)」の『グローバル系カップル』として描きたかった。

しかし、ぼくも彼女も外見に分かりやすい「外国人っぽさ」がなかった。

 

 

そこで、製作者側は彼女のお母さんに目をつけた。

彼女のお母さんは生粋のブラジル人であるため、ぱっと見も外国人として成立する。

そして、日本語が得意ではないことも相手にとって、キャラ付けするには美味しかったのだろう。

製作者側はロケ撮影の企画として

 

「お母さんを彼女宅に招いて、ぼくが手料理を振る舞う」

 

という趣旨の内容を提案してきた。

 

しかし、ぼくらとしては、そもそも番組の出演は付き合っている二人で決めたことであり、お母さんなどを巻き込む予定ではなかった。

ましてや、番組の演出のために手料理を振る舞うという、ぼくらの日常にはない光景を無理やり演じることに違和感があった。

 

番組の制作者側は隠しカメラを家に仕込み、ぼくが彼女のお母さんに手料理を振る舞う絵を撮りたい。

その一点張りだった。

しかも、なんなら手料理の種類にまで口を出してきた。

ぼくが(唯一)得意な手料理は、フランス留学時代に毎日つくっていたトマトバジルスパゲッティだ。

しかし、先方は

「パスタでは(演出として)弱い」

と言ってきた。

 

 

もはや、ぼくらの文脈は無視。

あくまでも「(製作者側が)撮りたい絵を演じろ」と言わんばかりの押し問答だった。

夕方に始まった話し合いは平行線のまま、深夜まで続いた。

 

 

最後まで、番組ディレクターは彼女に電話をかけ続け、説得を試みようとしていた。

優しくて、ときに優柔不断な彼女なら説得できると考えたのかもしれない。

どれだけ彼女が難色を示そうとも、同じ言葉を繰り返し、相手が根負けするまで主張し続ける。

そこに対話はなく、ただ駄々をこねる子供に困らされている母親のような彼女がいた。

 

ぼくと電話したなら、相手はきっぱり断られることを予想していたのかもしれない。

もしも、そう考えて、彼女にばかり電話をかけ続けたのであれば、それは極めて悪質な弱い者いじめである。

 

しかし、優しすぎてしまう彼女も、今回は最後まで折れることなく、断り切ることに成功した。

「ご提案いただいたロケの内容には、応じられません」

一時間以上に渡る、不毛な通話だった。

 

出演を断ってから 

担当ディレクターは

「ロケの内容を考え直すので、翌朝に再び電話する」

と言い、乱暴に電話を切った。

 

翌日とは、予定されていたロケの当日である。

そして、迎えた翌朝、ディレクターから電話がかかってきた。

「すべて、なくなりました」

ロケも、予定されていた収録も、すべてなくなった旨を伝えられた。

 

ロケの内容に応えられないなら、出演させられない――そういう結論だったらしい。

 

この電話も、相変わらず彼女にのみ。

「彼氏さんには、あとで連絡がいくと思うよ」

そう言い残して、電話を切った彼からは未だに何の音沙汰もない。

 

使いたいように使えなかったら、ポイ。

 

テレビに出たい想いの強いタレントさんたち。

そのような方々の気持ちを逆手に取って、いいように使いまくっている文化が垣間見えた。

替えはいくらでもいる――そんなメッセージを、感じざるを得なかった。

 

こちらが、どれだけの方々に頭を下げて、予定を調整したか。

よりよい番組をつくるために、どれだけの時間をかけたか。

急な要望にも応え続けた、ぼくらの真摯な姿勢はたった一度だけ、ロケの内容に反対しただけでないがしろにされた。

ノーと言えない先人たちが作り上げた、歪な力関係が残る業界――その一端を垣間見た気がする。

 

この度の、一連のやり取りで得た教訓は二つ。

 

一つ目は、ぼく自身が「替えがきく」と思われないくらい、大きな存在になる決意が固められたこと。

そして、同じ番組ディレクターに出会った際に、きちんと謝罪していただくこと。

対等な関係で向き合えないなら、むしろこちらから出演を拒否させていただこうと思う。

今度いきなりタメ口で話しかけてきたときは、ぼくの方から乱暴に電話を切ることを胸に誓いました。

 

二つ目は、彼女との絆を深められたこと。

恋愛バラエティ番組に出演しようとしたことで、彼女との喧嘩は少しだけ増えてしまった。

しかし、「雨降って地固まる」とはよく言ったもので――赤の他人に与えられたストレスのおかげで、お互いの深い感情を共有する機会にもなった。

より彼女のことを理解できたし、ぼくら自身が改めて対話を深める良いきっかけになったと捉えている。

 

 

失敗は成功の母。

どのような体験も結局は何を学び、次に活かすが大切で――この度の悔しい想いをバネに、ぼくらはさらなる飛躍を遂げます。

応援のほど、今後とも何卒よろしくお願い致します。

 

↓【閲覧注意】自慢でしかない彼女ツイートまとめ↓

https://twitter.com/i/moments/1074590029219917824 

 

あとがき 

ぼくと彼女の新たな挑戦を応援してくれた、温かい同志である皆さんへ。

次なる舞台への門出を祝ってくれた、田端大学のみんな。

衣装提供に始まり、当日のコーディネートを考えてくれていた㈱ワンピースの皆さん。

 

番組に出演することは叶わなかったので、少しでも恩返しができればと思い、こちらで魅力を広めさせていただきます。

この度、衣装提供をしてくださった㈱ワンピースのお洋服がこちら。

https://item.rakuten.co.jp/styleformom/s04374ko/
https://item.rakuten.co.jp/styleformom/s00330ko/
https://item.rakuten.co.jp/styleformom/s04322ko/
https://item.rakuten.co.jp/styleformom/s04237ko/

 

彼女が着ている姿をお披露目できないのは、誠に残念ではありますが――と思いきや、別の形で撮影のチャンスが舞い込んでくる。

 

捨てる神あれば拾う神あり。

これからも、ぼくらは自分たちらしく、人生を謳歌します。

みんな、いつも、本当にありがとう。やで。

 

編集後記

寄稿 YAMATO
再編集 ばるーん

久しぶりにやまとさんに寄稿していただきました。

番組はこうやって作っているのか~。と勉強になりますね。

実際自分もそうやって要求されていたら、テレビを経験したことないので何が基準なのかもわからず同じく頭を抱えていたかもしれません。

「面白さ」の追及は難しいですね。

普段生きている中で

「パスタ」は弱い

なんて思考したことがないですから。

大親友の彼女の連れはおいしいパスタ作っただけでモテモテなんですけどね。

それではまた。

ばるーん

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コメント

  1. 大変な思いをされましたね。
    彼女さまと、彼女のお母様にさらに迷惑がかからなくて良かったです。

    私も10年以上前に、ブログを見て、料理番組に出て欲しいとオファーがあり、散々振り回された挙句、当日に企画が無くなったと言われて、ポカーンとしたことを思い出しました。
    未だにしょうもない業界なのですね。

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